一括りに「レーザー加工、切断」と言っても、加工機によって加工できる素材に向き・不向きがあります。 レーザー加工、切断の基礎知識として、レーザーの種類別の特性について解説します。
【レーザーの媒体による分類】
レーザーの媒体は主に「気体(ガス)」と「個体」レーザーに分類され、使用する媒体によってレーザーの周波数が変わり、加工することができる素材が異なります。 レーザー加工機で採用されているレーザーの種類は、気体の「CO2レーザー」、そして個体の「ファイバーレーザー」と「YAGレーザー」が一般的です。
1.気体レーザー「CO2レーザー加工機」の特性
CO2レーザーは、炭酸ガスレーザーとも呼ばれ、気体の二酸化炭素(炭酸ガス)をレーザー媒体とした「ガスレーザー」です。レーザー波長は10.6mmの赤外線なので、目で見ることができません。 発振管内には、二酸化炭素(CO2)ガス以外に、窒素(N2)・ヘリウム(He)を規格量配合し、密閉状態で封入されています。これは「封じ切り」タイプと呼ばれています。 素材に熱をかけて切断します。 加工できる素材として、「ステンレス鋼材・アルミ・鉄・木材・ゴム・シリコン・ABS・アクリル・大理石・ナイロン、ガラス」などの透明な物体も含めて、幅広く加工することができます。 ただし「アルミ合金、銅、真鍮」などの反射率の高い金属には不向きですが、取り扱いが容易で、オープンスペースに設置ができるというメリットがあり、パールライト工業では主にCO2レーザー加工機を採用しています。
2.個体レーザー「ファイバーレーザー加工機」の特性
個体レーザーの一種として、「ファイバーレーザー」があります。 レーザー波長は、1.064mmと近赤外光です。 先にご紹介したCO2レーザーとは全く異なる仕組みで、レーザー光を発生させる「発振器」(レーザー光を作る装置)を備えています。 「シードレーザー」という手法でレーザーを作り出し、ダイオードポンプを通して、それをエネルギーが供給されるように設計されたガラスファイバーで増幅します。 「銅や真鍮などの金属、被覆金属」などの高反射材を切断することができます。レーザーガスが不要で、エネルギー効率が良いなどの特性があります。 また、ファイバーレーザーは金属彫刻ができるため、ハイコントラストのアニーリング方式の金属マーキングにも最適です。
3.個体レーザー「YAGレーザー加工機」の特性
ファイバーレーザーと同じく「YAGレーザー」も個体レーザー加工機に分類されます。 YAGとは、レーザー光を発生させるために使用している元素それぞれの頭文字「Y(イットリウム)」「A(アルミニウム)」「G(ガーネット)」をとり、YAGと呼ばれています。 金属・被覆金属・プラスチック・セラミックの加工に適しています。 特性として、狭い範囲に熱が集中し、溶接スピードも早いです。 そのため、薄板溶接で問題になる「熱による歪み」や「溶接焼け」が極めて少なくなります。これにより、後処理が少なく、工程を短縮することが可能です。
【レーザー加工に関する困りごと、パールライト工業に相談ください】
いかがでしたでしょうか? パールライト工業では、加工・切断をする素材・数量に合わせて、最適な加工方法をご提案させていただきます。 ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。